水戸市立西部図書館 Mito City West Library
私たちは、図書館を通して、地域の文化を育てるという思いで設計に取り組みました。今や図書館は受験生の溜まり場、あるいは本の倉庫と化しており、箱型の画一的な図書館ばかりです。ここでは書斎やサロンの延長として、自然と人々が集まってくるような空間を目指しました。そのためには単純で複雑な平面、力強い断面、主張する部屋、くせのある空間の中の空間などが不可欠であり、それを意味づけるプログラムまたはコンセプトが必要であると考えました。天井はドームで覆われ、壁には本棚があり、ソファーが用意され、アットホームな雰囲気をつくりました。文化を育てるという思いは、建築家だけでなく、市長や館長も思いは同じでした。当時の佐川市長は、「目的意識を持ち機能的ですばらしい建物をつくりたい、今の子供たちに活字文化、読書文化をどう復権させるか、図書館という建造物への興味から子供たちを引き付け散歩がてらに行きやすいかということを観点にして人選する」という思いで、私たちを設計者に選びました。建設中には、「水道をひねっても文化は出てこない。水戸市は下水道の整備も行うが、文化の整備も行う。」と言い、文化を創ることに積極的でした。「完成した図書館を見て、「子供たちの図書館として素晴らしい物ができました。」と仰っていました。初代山田館長は、図書館の完成の日に「建物は建築家が作るが、育てるのは僕ら、水戸市民だ」と市長の下で働く人も「文化を創る」ということに燃えているのだと思いました。今でもその思いは役所や市民の方に受け継がれ、今でも多くの市民に利用いただいている図書館となっています。





























