唐木田コミュニティセンター・児童館・図書館/からきだ菖蒲館 Karakida Shoubukan
敷地は小さな丘であった。その丘で遊んで育った人々の記憶を建築として再構築した。敷地の周囲を巡る約一層分の高低差を利用し、西側=前面道路側を二層、東側を一層として、図書館やコミュニティセンターのメインエントランスを西側に、児童館の入口を東側にすること、また建物の周囲に今までなかった歩道や植栽を巡らし、建物の屋根を起伏のついた緑化で覆い、その土地の記憶を蘇らせるようにした。
公共施設の設計業務が入札で行われ、プロポーザルでも、対象となる施設の実績がないと参加できない。入札によって設計された公共建築は、竣工後社会の評価が低く、概して夢のない建物に
なる。日本ではあまり結果を調査しないので、人気の無い建物でも逆に実績になる。また設計の発注を会社の規模で決めたり、特定の設計事務所に決めたりする。そういった状況の中で、プロポーザルに参加出来たのは画期的なことだった。
当初、市は別の設計者と計画を進めていたが、住民の合意を得られず停滞した。そして話し合いの結果、市は再度、案を公募することとし、プロポーザルは、3階建の旧案の修正案を求めるという趣旨で行われた。私達は地形を活かした2階建のユニバーサルデザインの建物を提案した。審査は住民公開で行われ、私達が選定された。開館後は足の踏み場もないほど賑わっている。
設計と並行して、市民や行政の人と徹底的にワークショップ等を通じ話しあった。市内の類似施設全ての調査、実測を行い、どう運営されているか、どのような問題があるかを話し合い、この建物に反映させていった。ひとつひとつ部屋の大きさ、使われ方等について熱く語った市民の人たち、それに誠意をもって対処した役所の人たちの熱意に感動した。
























